• 2026年9月29日
  • 2026年9月28日

高松の消化器内科医が潰瘍性大腸炎を解説!

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎(UC)とは、大腸の粘膜(食べ物が通る側)に、慢性的な炎症やただれができる病気です。
多くはおしりに近い大腸(直腸)から始まり、大腸の奥に向かって広がることがあります 。
症状がある「活動期」と落ち着いている「寛解期」を繰り返すのが特徴です。

国の指定難病に指定されているため不安を覚える方もいますが、「指定難病=不治の病、命に関わる」という意味ではありません。
「治療法がまだ完全には確立していない疾患を国が研究・医療費支援の対象にしている」という制度上の分類です。
適切な治療を行うことで、ほとんどの方が普通の生活、仕事、結婚、出産を送ることができます。

発症のはっきりした単一の原因はまだ分かっていませんが、体の免疫が誤って自分の大腸粘膜を攻撃してしまうこと(自己免疫的な機序)に、体質(遺伝的な要素)と、腸内細菌や食生活などの環境要因などが複雑に組み合わさって発症すると考えられています。
血縁者に患者がいると発症リスクはやや上がりますが、遺伝だけで決まる病気ではありません。

潰瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎の発症は、個人の生活習慣やストレスだけが直接の原因ではありません。
免疫の異常な反応が主体であり、体質・腸内環境・環境因子が複合的に関わる、まだ研究段階の病気です。
そのため、「自分のせいで発症した」というような自責感を持つ必要はありません 。

潰瘍性大腸炎の症状

・血の混じった下痢(血便)
・粘液の混じった便
・1日に何度もトイレに行く
・残便感
・腹痛

初期症状は「ただの下痢や痔」と放置されがちですが、以下のような特徴がある場合は注意が必要です。

・下痢や少量の出血が2週間以上続く
・市販薬で改善しない
・夜間にも便意で目が覚める
・体重が減る

これらを放置せず、消化器内科を受診することが重要です。
特に痔だと思い込んで様子を見続けるケースは最も注意すべきパターンです。
また、直腸だけに炎症が留まるタイプ(直腸炎型)では、腹痛や下痢がほとんどなく、「粘血便」のみが唯一のサインとなるケースも少なくありません。


潰瘍性大腸炎とストレスの関係

ストレスが直接の引き金となって発症するわけではありませんが、自律神経や免疫のバランスを介して、症状の悪化の引き金になることは報告されています。

寛解を維持するためにストレスとうまく付き合うには、以下の点が大切です。

・睡眠・食事のリズムを整える
・無理のない範囲で運動する
・症状悪化のサインに早めに気づいてかかりつけ医に相談する

「ストレスを完全にゼロにしなければならない」と抱え込みすぎないことも重要です 。

また、通勤や授業中の急な便意切迫感に対して、一般的な下痢止めを安易に使用するのは、中毒性巨大結腸などの合併症を引き起こす危険性があります。
最も重要なのは普段から薬によるコントロールを行うことですが、事前にトイレの場所を把握しておく、事前の食事内容を調整するなどの準備をする習慣をつけておくことで、不安を和らげることができます。



症状が似ている疾患

潰瘍性大腸炎と症状が似ていて間違えやすい疾患は下記の通りです。
・感染性腸炎
・過敏性腸症候群(IBS)
・クローン病
・大腸がん
・痔核(いぼ痔)
 



よくあるご質問

Q,一生薬を飲み続けなければいけないのか?

A,病状によっては治療薬の減量や変更が可能な場合もありますが、多くの場合、寛解(症状が落ち着いた状態)を維持するための「維持療法」を継続することが極めて重要です。
症状がないからといって自己判断で投薬を中止せず、主治医と治療方針を相談しながら継続することが必要です。

Q,長年患っていると大腸がんのリスクは高くなるのか?

A,炎症が長期間かつ広範囲に及ぶ場合、大腸がんの発症リスクがやや上昇することが知られています。このため、症状が落ち着いている寛解期であっても、定期的な大腸カメラ検査によるフォローを受けることが推奨されます。

Q,就職・結婚・妊娠・出産は通常通りできるのか?

A,多くの方が通常通り就職、結婚、妊娠・出産をされていますので、心配しすぎる必要はありません。
ただし、妊娠中に使用を控えるべき薬剤もあるため、妊娠を希望・検討される場合は、事前に必ず主治医に相談することが大切です。

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